CAN FD完全に理解した
— Ryuichiro Ohira (@ryu_ohira) 2020年4月27日
- はじめに
- そもそもCANの1ビットはどうやって決まるのか
- 物理層 :Physical coding sub-layer (PCS)
- Bit Timeを構成するSegment
- Synchronization Segment (Sync_Seg)
- Propagation Segment (Prop_Seg))
- Phase Buffer Segment 1 and 2 (Phase_Seg1 and Phase_Seg2)
- Synchronization:ノード間のビットタイミング同期
- Hard synchronization
- Resynchronization
- Transmitter Delay Compensation (TDC) : 伝播遅延補償
- おわりに
- 弊社のソリューションのご紹介
- 脚注
はじめに
ハードウェアチームのおおひらです。 本稿では車載の制御通信バス規格として一般的なController Area Network (CAN)の物理層について、その上位側を中心に説明します。
一般的にCAN/CAN FDの仕様について調査するとフレームの種類や構造などのデータリンク層の情報が記載されたドキュメントを目にすることが多いと思います。過去エントリとしては弊社Embeddedチームの久保田の記事(CAN FDことはじめ)だったり、Google検索して出てくるところだとこちらやこちらなど。または、Vector社の『はじめてのCAN/CAN FD』 もしかり。
弊社アプトポッドでも、モバイル回線を利用した遠隔車両データ計測を主たるユースケースとしてintdashプラットフォームのCAN FD対応が進んでおり、改めてハードウェア担当として物理層の理解をすべく規格を調査した次第です。 なお用語に関してはCANの規格書 (ISO 11898-1[^1] および BoschのCAN FD仕様書[^2])を参照できるよう、過度に日本語翻訳していません。毎度のことながら、認識に誤りがありましたらご指摘いただけると有難いです。
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