aptpod Tech Blog

株式会社アプトポッドのテクノロジーブログです

Turtlebot3の実機を使ったSLAMとNavigationをAWS RoboMaker上でやってみた

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研究開発グループの酒井 (@neko_suki)です。

今回は、「Turtlebot3の実機を使ったSLAMとNavigationをAWS RoboMaker上でやってみた」という取り組みについて紹介します。

SLAMは、Simultaneous Localization and Mappingの略で、ロボットによる自己位置推定と地図作成を同時に行うことです。Navigationは、指定した目的地までロボットを移動させることです。

まずは、動画をご覧ください。

www.youtube.com

動画ではAWS RoboMakerのシミュレーションジョブ上で、Turtlebot3のNavigationを行うためのノードを起動します。 そして、シミュレーション上のrvizで目的地を設定します。 そうすると、Turtlebot3が自律走行していることが確認できます。

今回の記事では、この動作をどのように実現したのかをお伝えします。

なお、本内容は、ROS Japan UG #37 オンラインROS勉強会 で発表した内容をベースに執筆しております。 資料は SlideShare にアップロードしてあります。

  • 取り組みのモチベーション
  • 技術的に検討をしたポイント
    • ①インターネット経由でSLAM/Navigationを動かすために必要なROSトピックを調べる
      • SLAM に必要なROSトピックの確認
      • turtlebot3_slam_gmapping がpublish/subscribeしているROSトピックの一覧
      • Navigationに必要なROSトピックの確認
      • Navigationに使用されているROSトピックの一覧
      • 帯域の計測
    • ②AWS RoboMaker上でSLAM/Navigationを動かす。
      • ROS bag再生に対応したシミュレーションアプリケーションを作る
      • ROS bag再生用のシミュレーションジョブの作成
  • まとめ
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Reduxを用いる時にオススメしたい3つのTips

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はじめまして!WEBチームの黒川と申します!昨年7月にaptpodに入りましてもうすぐaptpod歴1年になります! aptpodでは主にフロントエンドエンジニアとしてReact/TypeScriptを用いて、お客様向けアプリケーションのUI部分を実装しております。

ご存じの方も多いように、Reactの状態管理にはいくつか方法があり、何を用いるべきかなどでしばしば議論が起こりがちです。代表的なものだけでも、標準APIを用いるuseStateContextやデファクトスタンダードとなってきているRedux、そして新興のRecoilがあります。
弊社のWEBチームではReduxを採用するケースが多いです。私もReduxについては一通りの知識と経験は持っていたつもりだったのですが、先日担当させていただいたプロジェクトで初めてReduxの設計に取り組んだところ、自分がReduxの思想や勘所について何も理解していなかったという事に気づきました。
そこで、同じくReduxの設計で悩んでいる方に向けて少しばかりのヒントになればと思い、私がReduxについて再勉強をする中で見つけた3つのTipsについて本記事にまとめました!(ただし、私自身が大規模開発の経験がないため、本記事は小〜中規模開発向けの内容になります🙇‍♂️)

※本稿のTipsは、公式のRedux Style Guideにも記載があります。Reduxの公式ページは本当にドキュメントが豊富なのでめっちゃ勉強になります。本稿では、抽象度の高い&英語の公式の記載について、なるべく分かりやすくお伝えすることを目的としています。

  • Redux Toolkitを使おう
  • Storeに格納するデータは正規化しよう
  • useSelectorはパフォーマンスを意識しよう
    • 1. useSelectorでオブジェクトを返す時はshallowEqualを併用する
    • 2. useSelectorを用いる時は大きいオブジェクトを一度に返すのではなく、細かく必要な値ごとに用いる
    • 3. 重い処理にはreselectを用いる
  • まとめ
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【Web NFC】JavaScriptでNFCタグのデータを読み書きしてみた

Webチームの蔵下です。Chrome 81でWeb NFCが試験的に導入されました! ちょっと変わり種なのでネット上ではあまり話題にならなかったのですが、個人的にはビッグニュースでした。

Web NFCを使うと、下記のTweetのような実在するカードとWebサイトを組み合わせたゲームなどが実装できます! すごい!

勢いのままにWeb NFCを触ってみたので、ソースコードを交えて使い方を紹介します。

Web NFCとは?

Web NFCとは、JavaScriptでWebサイトからNFCタグにデータを読み書きできるAPIです。記事公開時点(2020年6月)ではAndroid Chromeでの対応となっているため、NFC機能が搭載されているAndroidスマートフォンで動作が確認できます。

NFCタグ

NFC(Near Field Communication)とは近接型無線通信方式で、デバイスでNFCタグにタッチするだけでデータの読み書きができます。今回Web NFC確認用に Amazon で購入したNFCタグは、容量が144Byteと小さいですが価格も安く手軽に試せます。

購入したNFCタグ。シールになっていて貼り付けられる。

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通信遅延発生時にTurtlebot3を安全に遠隔制御する技術

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先進技術調査グループのエンジニアの酒井 (@neko_suki)です。

過去に2回、Turtlebot3の遠隔制御について紹介をしました。

tech.aptpod.co.jp

tech.aptpod.co.jp

今回は、ネットワークの切断やほかの要因によって大幅な通信遅延が発生した際に、Turtlebot3を安全に遠隔制御技術する技術として以下の2点についてご紹介します。

①フェールセーフ機能

②メッセージの遅延への対応

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Visual M2M のデザインについて

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はじめに

デザイン室 @tetsu です。

弊社aptpod製品 Visual M2M (以下VM2M) について、ありがたいことにお客様から「デザインが良い」とお褒めをいただくことが多いとのことで、デザインについての記事を書いて欲しい。

そんな話で営業チームからおだてられてオファーがありまして、本記事を書かせていただきます。

VM2M初期のコンセプトから現在の形にいたるまで、振り返りながら書いてみようと思います。

「デザインが良い」と言われた時に、ヴィジュアル(全体の雰囲気、カラー、レイアウトなど見た目の印象)のことを言われている方と、使い勝手を含めたシステム全体のことを指して言われている方といらっしゃると思います。

この記事では、主に前者のヴィジュアル面のデザインに寄った形で、UI(ユーザーインターフェース)の設計について書いています。

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