aptpod Advent Calendar 2023 12月6日の記事です。
Automotive Pro Grの新崎です。REMOTE CAL開発チームでプロダクトオーナーをしています。
現在リリースされているREMOTE CALにおいてはエッジ端末としてEDGEPLANT T1を前提としていますが、いくつかのお客様から小型端末への対応というご要望をいただいています。
そこで本記事ではその導入として Raspberry Pi を利用したREMOTE CALの疎通実験をした際の様子をご紹介したいと思います。
REMOTE CAL is 何?
REMOTE CALとは、aptpodのコア製品である低遅延、ハイスループットのIoTミドルウェアintdashを活用し、汎用計測適合プロトコルであるXCP/CCPによるECUの遠隔計測適合を実現するソリューションです。
こちらの記事 や下記のコーポレートサイトでも詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください。
実験
事前準備
今回エッジ端末として自宅で眠っていたRaspberry Pi 3Bに Terminal System とREMOTE CALパッケージをインストールして利用しました。また、同じく自宅で眠っていたRaspberry Pi 4に XCPlite をインストールして対向機のXCP Slaveとして動作させました。
サーバー環境は社内の開発環境を利用しました。
計測設定を作成
今回の計測ではXCP SlaveであるXCPliteが一定間隔で出力しているデータを収集し、可視化するところまでをゴールとしたいと思います。
まず、REMOTE CALのWeb ConsoleからA2Lファイルをアップロードします。A2LファイルとはECU 内部の変数の情報や、XCP/CCPなどの通信に必要なパラメータが定義されているファイルで、XCPliteでは起動時に生成されます。
次に、アップロードしたA2Lファイルから計測対象のラベルを選択しDAQ Label Selectionを作成します。
今回は上図のように3つのラベルを選択しました。
最後に、作成したDAQ Label Selectionをエッジに割り当てます。
今回は1台でしたが、複数のチャンネルを利用して2台以上の対向機を接続し同時に計測することも可能です。
これで計測設定が作成できました。
計測スタート
エッジ端末を起動すると自動的に計測が開始されます。Edge Finderで見るとデータが流れていることが確認できます。
また、REMOTE CALのWeb Consoleでは Visual M2M Data Visualizer で計測データを変換するための定義ファイルであるdatファイルを計測設定の元になったA2Lファイル内の定義を元に生成することができます。
ダウンロードしたdatファイルをVisual M2M Data Visualizerに設定することで計測データの可視化もできました。
今回はLine Graphを使用しましたが、Visual M2M Data Visualizerにはこの他にも様々なパーツが用意されていますので、ご希望に合わせたダッシュボードを作成しデータを可視化していただくことが可能です。
まとめ
今回の実験で、Raspberry Piをエッジ端末として利用したREMOTE CALによる遠隔計測の疎通確認をすることができました。
ただし、Raspberry Pi向けのパッケージをビルドする必要があるなど課題も見つかり、正式に小型端末への対応をリリースするためにはまだまだ検証や対応が必要ですが、引き続き推進していきたいと考えています。
REMOTE CALではトライアル環境のご用意もございますので、導入のご相談、製品に関するご質問や追加機能のご要望等ございましたら、お気軽に こちらのリンク までご連絡ください。