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Meas Converterでデータ活用の未来を変える

aptpod Advent Calendar 2024 12月3日の記事です。

ソリューションアーキテクトの奥山です。痒いところに手が届くそんな弊社製品の機能をご紹介します。

はじめに

産業IoTの分野では、膨大な計測データを効率的に管理・活用することが重要です。特に、自動車業界のCAEエンジニアやAD/ADASエンジニアにとって、計測データの解析や設計評価に役立てることは、業務効率化や技術革新の鍵となります。しかし、以下のような課題がデータ活用の障壁となっています。

  • 独自フォーマットのデータ形式が解析や外部ツール連携を難しくしている。
  • REST APIを利用した独自開発に多くの工数がかかる。
  • 業界標準形式への対応不足により、データの再利用や解析が限定されている。

これらの課題を解決するために、aptpodでは計測データを効率的に業界標準形式へ変換する新しいミドルウェア「Meas Converter」を開発しました。

Meas Converterは、特に自動車業界で求められるMDF(Measurement Data Format)形式へのデータ変換をスムーズに行うツールです。この機能により、専門的な知識や追加開発を必要とせず、データ変換をシンプルかつ効率的に実現できます。

本記事では、Meas Converterの概要、特徴、そして操作方法を詳しく解説します。

Meas Converterとは?

Meas Converterは、産業IoT分野の計測データを効率的に変換するために設計されたツールです。特に、自動車業界で広く使用される計測データを、業界標準のMDF(Measurement Data Format)に変換することで、データ活用の可能性を大きく広げます。

主な特長

  • 対応データタイプ:
    • CANデータ (車両内通信プロトコルで収集した情報)
    • NMEAデータ (GPSなどの位置情報)
    • アナログ信号データ (センサーから取得した値)
    • 映像データ(テスト走行時の記録、音声対応も予定)
  • 出力形式:
    • MDF(Version 4)
    • AVI (映像データ)
  • 出力方法:
    • 複数のデータタイプを変換後、ZIP形式で一括ダウンロード。

「データの価値を最大化し、解析や設計プロセスをシンプルにする、それがMeas Converterの使命です。」

なぜMeas Converterが必要なのか?

膨大な計測データを活用する際、特に以下のような課題に直面することが多いです。

主な課題

  1. 独自形式の制約

    • intdash独自形式のデータは解析や他ツールへの連携が難しく、専用知識や追加開発が必要でした。
  2. 業界標準形式への対応不足

    • MDF形式への変換は外部ツールの導入や複雑な開発が求められるため、業務負担が増していました。
  3. 運用の複雑さ

    • REST APIベースのデータ取得や変換は手間がかかり、使い勝手が良いとは言えませんでした。

Meas Converterによる解決策

  1. 学習コストの削減

    • GUIを活用し、専門知識がなくても簡単にデータ変換が可能。
  2. MDF形式への迅速な対応

    • 自動車業界標準のMDF形式へ即座に変換。CAEやAD/ADASのエンジニアが活用しやすい環境を提供。
  3. 操作の簡略化

    • GUIでのワンクリック操作でデータ変換を実現。REST APIに頼らず、直感的な操作が可能。

Meas Converterの主な特徴

Meas Converterの設計理念は、「簡単操作で高い成果」です。その特徴を以下にまとめます。

1. 直感的で簡単な操作

  • シンプルなデータ変換フロー:
    • データ検索 → 設定 → 出力 → ダウンロードの4ステップで作業完了。
    • GUIでプログラミングなしでも簡単に操作可能。

2. 高度な変換機能

  • 自動変換機能:
    • 計測データと変換定義(CANでいうDBCファイルのような設定)を自動で紐付け、手間を軽減。
  • インポート可能な変換定義:
    • 変換定義をファイルからインポートして設定可能。
  • MDF形式への対応:
    • CAN、NMEA、アナログデータを業界標準形式に変換。

3. 将来を見据えた対応範囲

  • 現在のMDF形式やAVI形式に加え、将来的にJSONやCSV形式への対応を予定。

実際の操作説明

Meas Converterを利用することで、計測データの変換が簡単な操作で完了します。このセクションでは、操作手順をご紹介します。


1. データを選択する

UUIDからデータを選択
MeasHubからデータを選択


2. 変換設定を行う

  • 選択後、変換結果名や出力範囲を設定することができます。出力するデータは過去の変換結果や新しく設定することができます。

選択した後の画面

  • 出力データを選択します。

出力データをリストから選択する
選択後の出力対象データ


3. 変換を実行する

  • 変換ボタンをクリックするだけで、変換プロセスが開始されます。
  • 進行状況や結果は変換結果一覧にリアルタイムで表示されます。

変換結果


4. 変換結果をダウンロードする

  • 変換結果一覧から、変換済みファイルを確認。
  • 青い「ダウンロード」ボタンをクリックして、ZIP形式で一括ダウンロードできます。

ダウンロード結果


まとめ

Meas Converterは、自動車業界を中心としたエンジニアが直面する課題を解決し、業界標準形式でのデータ活用を加速します。直感的な操作と高度な変換機能により、計測データの価値を最大限に引き出します。

「データ変換をもっとシンプルに。Meas Converterでデータ活用の新しい未来へ。」

注意事項

本記事でご紹介した「Meas Converter」は先行リリース版です。

現段階では、試供版の提供は行っておりませんが、以下の内容をご理解いただけると幸いです。

  • 現在の状態:
    • 本記事に記載された機能や特長は、先行リリース版の仕様に基づいています。正式版リリースに向けてさらなる改良を行う予定です。
  • ご意見・ご感想のお願い:
    • 本記事をご覧いただき、機能へのご意見や改善のご提案がございましたら、ぜひお知らせください。いただいたフィードバックを元に、より良い製品開発を目指します。
  • 今後の展開:
    • 先行リリース版で得た知見を活かし、正式リリースではさらに幅広いニーズに応える機能を追加予定です。