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株式会社アプトポッドのテクノロジーブログです

メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025 見学レポート

はじめに

こんにちは、エンジニアの上野です。

この度、株式会社アプトポッドは2025年7月23日(水)~7月25日(金)に東京ビッグサイトにて開催された「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025」にNTTドコモビジネス株式会社様と共同で出展いたしました。

mente.jma.or.jp

昨年度のレポートに続きまして、今年は私が弊社の展示や関連技術の見学をしてきましたので、その内容の一部をご紹介したいと思います。

会場の様子

私が見学した日は、快晴かつ真夏の陽気で、非常に暑い一日でした。

それにも関わらず展示会場は多くの来場者で賑わっており、ありがたいことにアプトポッドのブースも盛況で、弊社の技術やサービスに対して高い関心をお寄せいただきました。

展示内容

リアルタイムデジタルツインデモ

昨年に引き続き、日立建機株式会社様のご協力のもと、弊社が開発したリアルタイムデジタルツイン基盤のデモを展示しました。

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今回のデモでは、遠隔地のオペレーターがホイールローダーの搭乗者に対して作業エリアの切り替えを指示し、移動完了後にエリアのステータスが変化する様子を展示しました。私はこのアプリケーションの開発を担当しています。

昨年は点群と重機の可視化が中心でしたが、今年は事前に計測した数千万点クラスの点群を用いて、よりリアルな現場再現と遠隔操作の連携によるインタラクティブな体験を提供するなど、デジタルツインの完成度が一層向上しています。

ロボット点検・設備

今年もUnitree Go2による遠隔操作デモを展示しました。加えて、今回は各足の先端にゴムタイヤを搭載したUnitree Go2-Wも展示されており、階段のような段差も軽々と乗り越える様子が印象的でした。

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Go2-Wには酸素センサーとアルコールセンサーが搭載されており、会場内に用意されたアルコールスプレーによって、リアルタイムに数値が変化する様子が確認できました。

ロボットによる点検業務への応用が期待されており、異常検知や設備状況の可視化など、実運用を見据えた展示となっていました。

マルチモーダル環境センシング

アプトポッドでは、LiDAR・カメラ・温湿度センサーなど、複数のセンサーデータを統合して多面的な環境把握を行う「マルチモーダル環境センシング」にも取り組んでいます。

本展示では、カメラ映像による人体検知、LiDARスキャナによる空間のメッシュ化および人体検出、さらにはサーモグラフィカメラを活用した温度センシングを組み合わせたデモを実施しました。

熱分布の可視化により、異常発熱や熱中症の兆候、設備の異常を早期に発見することが可能です。取得した温度データはintdash上でリアルタイムに可視化され、時系列での分析にも対応しています。

なお、LiDARスキャナによる空間のメッシュ化および人体検出については、株式会社東海林ファジィロボット研究所様 の技術を利用させていただきました。 LiDARスキャナから取得した点群をリアルタイムにメッシュ化することにより、人体検出や詳細な空間形状の把握が可能となります。

広帯域モバイル伝送

アプトポッドでは、複数のモバイル回線を束ねて広帯域なデータ伝送を実現する「intdash Multi Mobile Network」というソリューションを提供しています。

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今回の展示でも、Unitree Go2に本ソリューションを適用。複数のSIMを用いることで、1枚のSIMでは処理しきれない広帯域の点群・映像データも安定して送信できている様子を確認できました。

UnitreeGoに搭載されたマルチSIMルーター、SIMが2枚刺さっている様子。

一方、昨年と同じ構成(MID-360 LiDAR × SIM1枚)では、データ伝送がギリギリという印象であり、実際のユースケースではマルチSIMの重要性がより高まっていることを実感しました。

他社様のブースを見学した感想

今回、他社様の展示を見学して特に印象的だったのは、「現場の3D化」がより一般化・多様化してきているという点です。

私もかつてiPhone搭載LiDARを用いた3Dスキャン記事を書いたことがありますが、今回の展示ではiPhoneを使ったスキャン、ハンディ型LiDAR、据え置き型レーザースキャナ、ドローン搭載型など、実に多様なスキャン手法が紹介されていました。

特に、法律上ドローンが使いづらい場所ではハンディタイプが有効であり、iPhoneの弱点である位置精度を補うGNSS連携型デバイスなども見られ、各社の工夫と進化が垣間見えました。

炎天下でのiPhoneスキャンに苦しんだ経験がある私としては、代行スキャンサービスの展示も非常に魅力的に感じられ、3D計測の市場が着実に広がっていることを実感しました。

おわりに

昨年に続き出展させていただいた「メンテナンス・レジリエンス TOKYO 2025」は、弊社にとっても技術の発信と学びの両面で非常に有意義な機会となりました。

ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

  • 人手で行っていた業務をロボットで行いたい
  • ロボットの遠隔操作を行いたい
  • 大量データを扱えるハイパフォーマンスな可視化アプリケーションを開発したい

アプトポッドでは、IoT・ロボティクス・リアルタイム通信の分野で培った技術を活かし、皆さまの課題解決を全力でサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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