
- 関連ニュース
- IoT・通信の最前線と「intdash」が拓く新たな共創のかたち
- イベントの目的
- 会場の印象:共創を前提にした展示構成
- アプトポッド/intdashの展示
- intdash の特徴
- 注目技術と共創の視点
- 技術トレンド・気づき(BE creation視点)
- 技術者視点での総括
- 個人的に興味を持った展示
- まとめ
関連ニュース
ニュース
- トヨタ自動車様「第2回 スタートアップ企業 新事業・新技術展示会」出展のお知らせ(2025年9月26日)
- トヨタ自動車様のYoutubeチャンネル「トヨタイムズ」での紹介記事
IoT・通信の最前線と「intdash」が拓く新たな共創のかたち
こんにちは、ソリューションアーキテクトの村松です。自動車分野のお客様の業務課題に対して「intdash」の技術を用いた解決方法を検討、システム構築等の提案業務に携わっています。
2025年10月9日、愛知県豊田市のトヨタ自動車 本社で開催された 「第2回 スタートアップ企業 新事業・新技術展示会」 に、技術者視点で参加してきました。
本記事では、展示会の印象や気づき、特に データ収集・通信基盤技術「intdash」 に焦点を当て、製造業のお客様との共創の視点で、IoTプラットフォームとはどうあるべきかを整理します。
イベントの目的
本展示会参加の主な目的は以下の2点です。
- AI・IoT技術の最新トレンドを把握すること
- intdash(アプトポッド)の活用拡大可能性を探ること
加えて、トヨタ自動車様が掲げる BE creation(新事業創出スキーム) において、技術者としてどのように共創に関われるかを考察する場ともなりました。
https://global.toyota/newbiz/becre/about/
会場の印象:共創を前提にした展示構成
会場の最初に目に入ったのは、トヨタ自動車様が外部技術との接点づくりを意識した BE creation ブース です。
4つの展示区画に分かれ、トヨタ自動車様の技術・プラットフォームを開放し、スタートアップやアカデミア、産業界と共創する姿勢が強く印象に残りました。
展示構成は「共創」を前提とし、“自社技術を囲う”のではなく、“他社技術とつなげる”ための空間設計 がされていました。
来場者同士の会話を促す配置や、リアルタイム連携デモが複数同時に展開されるなど、単なるプレゼンテーションではなく
「共に作る場」
としての意図が明確に感じられました。
アプトポッド/intdashの展示
アプトポッドのブースでは、基盤技術 intdash と TOYOTA GAZOO Racing 様における「intdash」によるリアルタイム遠隔計測システムの公式採用について紹介。
世界中を転戦するレース車両に弊社ハードウェア「EDGEPLANT T1」が搭載され、過酷な使用環境の中、高精度/大容量な計測データがクラウドに集約されレース車両の日々の性能改善や車両開発に活用されています。

先日、トヨタ自動車様のYouTubeチャンネル「トヨタイムズ」において、ニュルブルクリンク24時間レースでの利用シーンが公開されています。
こちらも合わせてぜひご覧ください。
トヨタイムズ公式チャンネル(該当動画はこちら)
※「intdash」利用シーンは 3:40頃 / 17:13頃 / 19:58頃 に登場します。
intdash の特徴
- 高スループット・低遅延のストリーミング通信基盤
- 複数のデバイス・拠点間でリアルタイムにデータをやり取り可能
展示では、センサーや車載機器から取得したデータをクラウドで統合・可視化・解析するデモが連続して行われ、多くの来場者が訪れていました。
技術者視点では、intdash は単なるスタンドアロン技術ではなく、共創を支える基盤として価値を持っています。
- BE creation におけるプラットフォーム提供者としての立ち位置
- 共創エコシステムへのデータ基盤技術の供給
- 出展企業・スタートアップとのインターフェース技術としての拡張性
- モビリティ、製造、建設、エネルギーなど異分野融合領域での利用接点
つまり、intdash は「データをつなぐ技術」であると同時に、
"共創インフラとしての可能性"
を秘めています。
注目技術と共創の視点
| 技術 | 特徴 | 共創ポテンシャル |
|---|---|---|
| スカイディスク(最適ワークス) | AIによる生産計画最適化 | プラットフォームと連携し、リアルデータを活用したクロス企業製造最適化が可能 |
| LOZI(SmartBarcode) | 製造~物流可視化ソリューション | リアルタイムタグ情報をプラットフォームに流し込み、他モジュールと連携可能 |
| ALGO ARTIS | 複雑スケジュール最適化エンジン | intdash のストリーミングデータで動的スケジューリング実現の連携可能性 |
| Preferred Networks | 自社完結型 AI基盤 | 通信最適化・分散AI・プラットフォーム連携で戦略的立ち位置を模索 |
技術力だけでなく、「共創に開くか閉じるか」が技術の将来性を決める
という点が非常に印象的でした。
技術トレンド・気づき(BE creation視点)
- 通信基盤の価値向上 :
- 裏方のインフラから、共創の土台への期待
- インターフェース性・拡張性 :
- API公開やモジュール接続、他社技術との共存性が重要
- 共創組織文化と技術アプローチの融合 :
- 制度設計と接続性設計の両立が不可欠
- リアルタイム制御×生成AI :
- ストリーミングデータとリアルタイムAIによる制御・最適化が進行中
技術者視点での総括
intdash は単なるデータ基盤ではなく、"BE creation の文脈で意味を持つ共創インフラ"として成長可能です。
現代の技術価値は、「良いものを作ること」だけでなく、"誰と、どう使われるか" によって決まります。
今後のアクションプランとしては:
- BE creation を考慮しつつ具体的な技術提供先を探索
- 他出展企業との共同PoC(概念実証)を企画
- intdash の機能を共創・拡張性・プラットフォーム性に合わせて強化
これにより、intdash は "「つなぐ技術」から「共創を支える基盤」へ" さらなる進化をしていく。
個人的に興味を持った展示
浮体式洋上風車を開発するベンチャー、アルバトロス・テクノロジー の展示も印象的でした。
https://www.albatross-technology.com
AI普及によるCPU/GPU消費電力の増加に対して、安定した再生可能エネルギーの一分野として注目される浮体式洋上発電。
- 従来型の洋上風力発電とは異なり、低フットプリント・折りたたみ可搬可能な設計
- 発電時は、携帯電話基地局のような形状で、空間の有効利用が可能
- 低コストで安定した電力供給が可能
日本の国土は38万km²ですが、EEZ(排他的経済水域)を含めた海洋面積は世界第6位。 洋上領域の利用は、新たな技術・エネルギーパラダイムの鍵になると感じました。
まとめ
- intdash は共創を支えるデータ基盤として大きな可能性を秘めてる。
- 技術の未来は、単なる性能より「共創への開放度」が重要となる。
- 組み合わせから生まれる新たな価値創出が期待される。